<初心者向け> アクリル絵の具の使い方 木製パネルで作品作り

アクリル絵の具実践 アイキャッチ

こんにちは、絵描きの榊幹恵です。
今回はアクリル絵の具を使って、木製パネルに絵を描く実際の手順を画像と共にお伝えします。

一見、難しそうに見えるアクリル絵の具ですが、コツさえつかんで慣れてしまえば、
けっこう簡単に描くことが出来ます。それではいってみましょう(^O^)/

支持体に下地剤を塗る

アクリル絵の具使い方実践

こちらは人それぞれですが、私の場合は塗る前に側面や底面にマスキングテープをはります。

アクリル絵の具 ジェッソ 養生  アクリル絵の具使い方実践3

下地剤ジェッソを水で薄めて、刷毛の跡が残らないくらいの硬さにして塗ります。
乾かす時はドライヤーを使うと作業が早く進みます。

塗り方は、横方向に1回塗り、乾いてか縦方向に1回塗り、乾いてから横方向に塗り
合計3回くらい塗って下地完成です。

アクリル絵の具 ジェッソ 塗り方

下絵を転写

クリル絵の具実践 転写紙
トレーシングペーパーで転写

スケッチブックやパソコンで描いた下絵は、トレーシングペーパーや薄い紙などに写し、
そのをB4くらいの濃い鉛筆を斜めにして鉛筆の粉をこすりつけ、
その後ティッシュペーパーなどで軽くこすりお手製カーボン紙を作ります。

トレーシングペーパーに描いた下絵の線をなぞっていきます。
この時、下絵の線の色とは違う色の方が迷うことなく進めやすいです。
例えば黒い線なら、なぞるのは赤いボールペンなどが良いです。

下絵保護

 

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下絵を写し終わったら、鉛筆の線を保護するために、水で薄めたジェルメディウムを画面に塗ります。他には、パステル画の保護のために噴射するフィキサチーフでも同じ効果があります。

個人的には水で薄めたジェルメディウムの方がやりやすいです。
フィキサチーフはスプレータイプなので、噴射する度むせてしまいそうで、なんとなく落ち着かないという…本当に個人的な理由です。(^_^;)

地塗り

 

下絵保護の薄いジェルメディウムの層が乾いたら、地塗りをします。

地塗りは完成予定の絵のメインとなる色を薄く塗っておくと、イメージが固まるし塗り残し防止になりオススメです。(地塗りは薄く塗りましょう!厚く塗ると下絵が見えなくなってしまうので)

例えば、青空とか海の絵の場合は、薄い青色を下塗りとして塗っておく、
収穫直前の田んぼや麦畑や菜の花畑の場合は、薄い黄色かベージュ色を塗っておくという感じです。

この絵の場合は、明るく楽しい雰囲気を出したかったのでベージュ寄りの黄色を薄く下塗りしました。

絵具を1層2層と重ねていく

どこから始めるかは人によって様々ですが、私自身は手前の大部分から始めます。
この絵の場合だと画面下の地面ですね。
次に、空の部分にあたる背景色を塗りました。

アクリル絵の具使い方実践4  アクリル絵の具実践 背景色塗り

大部分をキレイに塗りたい時は、大きな筆もしくは刷毛を使います。
絵具は筆の跡が残らないくらいの丁度良い状態(硬すぎず柔らかすぎず)まで水で溶きます。

筆に絵具を含ませ、キレイに塗っていきます。
もしはみ出してしまったら、早めにティッシュか別の筆ではみ出た絵具を拭きとりましょう

アクリル絵の具は乾くと耐水性になりますが、乾く前だったら修正しやすいです。

絵具は一度に濃く厚く塗っていくより、薄く塗り重ねていく方がキレイに見えるので、好みの色になるまで塗り重ねます。塗り重ねる際は、しっかり乾いてから次を塗りましょう。

中途半端な乾きの上に新たに塗り重ねると、下の絵具が剥げて修正が必要になってしまいます。

乾かす時は、ドライヤーを使うと時短になります。ただし、あまりに熱い温度で短時間に乾かそうとすると絵具がひび割れてしまうので、ほどほどが良いです。

アクリル絵の具は透明水彩のように水で薄めてぼかす描き方もできますが、
支持体が木製パネルやキャンバスの時は、たっぷりの絵具を用意して色の境界線を乾いた筆で馴染ませるというやり方が、一番きれいにぼかせました。

影となる部分も含めある程度下地部分が塗れたら、
その物の質感などのディティール(細かい描写)を描いていきます。

アクリル絵の具実践 細かい描写
細かい描写を加えていく

ディティールを描き終わったら、透明色を使って画面を馴染ませます。その後またディティールを追加していくと、深みのある画面を作り出すことが出来ます。

 

左上に赤い太陽を塗ります。この時キレイに円を描きたいので、マスキングシートをコンパス型のカッターを使い丸くカットします。円をくりぬいた方を貼り付け絵具を塗ります。

アクリル絵の具実践 赤い太陽描き方

この時、あまりに水で薄めたシャバシャバな絵具だとシートの内側に入り込んで滲んでしまうので、絵の具はある程度固めの状態がオススメです。

この後、背景の装飾などを描き加え、全体がある程度出来ました。

背景の装飾を加えある程度完成

純金箔で砂子を撒いてみよう

今回は背景に純金箔で砂子を撒きたいと思います。
砂子の場合は切廻しで十分なので、0.1gを2600円くらいで買いました。
(ちなみに、純金箔10枚で4500円くらいです。)

アクリル絵の具実践 純金箔切廻し

道具は砂子用の筆と、茶こし、ピンセット、これで十分でした。

アクリル絵の具実践 砂子道具

やり方は、まずジェルメディウムを水で薄めて砂子を撒きたい場所に塗ります。
ジェルメディウムは、絵具を透明にしたい時に使いますが、強力な糊としても使えます。

次に、切廻しをピンセットで取り、撒きたい場所の上で茶こしに入れて筆でくるくると回すと金箔が小さい粒上になって画面の上に撒かれます。

砂子だけでなく、もう少し大きめの金箔の破片を張りたい時は、ピンセットで好みの大きさにちぎり、水で溶いたジェルメディウムを塗った場所に貼ります。

金箔を貼ると、絵が一気にゴージャスになります。
砂子の場合は、やり方もそんなに難しくないので、是非トライしてみてほしいです。

ワニスを塗って作品を保護しよう

一番最後に作品表面を保護するためのワニスを塗ります。

ワニスを塗っておくと、ホコリや有害ガスから作品を保護してくれます。
ものによっては紫外線もカットしてくれるので、是非塗っておきましょう。

私はいつもホルベインのクリスタルバーニッシュを使っています。

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こちらはツヤ出し画面保護用ワニスで、
乾くと透明で光沢のある強固な耐水性の膜を作ってくれます。

このまま原液でも塗れますが、
はじめの3層までは水とニスを1:1で薄めたモノを塗り、
最後の1・2回を原液塗ります。

ワニスで保護
ニスを塗布後
つやつやな表面

こちらのワニスの良いところは、
アクリル樹脂で出来ているので、ニスを塗った後も描き込みが出来る所です。

以前は、ニスを塗ったらもう手出し出来ないと思っていたので、
この事知ってからは気楽に塗る事が出来るようになりました。(笑)

まとめ

木製パネルに描くアクリル絵の具の使い方、いかがでしたでしょうか?

下地剤ジェッソを塗れば、木にも絵が描けますし、
アクリル絵具の特性を知って慣れていけば、イメージに近い絵を描いていくことができますので気長に数多くチャレンジしてみて頂けたらなと思います。

それではまた、次回の記事でお会いしましょう。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。