こんにちは、絵描きの榊幹恵です。
今回は、アクリル絵具に混ぜる水の適切な分量などについて解説していきたいと思います。
とても基本的な事なので、あまり気にしてなかったけれど、この記事を書くにあたって、いざ調べてみると
適切な水の量を知る事によって、色の濃淡、塗りやすさ、乾燥時間をコントロールできるという、とても重要な要素であることに、改めて気づかされました。
というわけで、アクリル絵具に混ぜる水の使い方のコツをつかめば、作業効率を上げられますので、是非ご一読頂ければと思います。
Contents
アクリル絵具は水で溶いて使う絵具
![](https://mikigaka.com/wp-content/uploads/2024/11/acrylic-paints-174638_1280-1024x682.jpg)
アクリル絵具は水溶性なので、透明水彩のように水で溶いて使えます。
水の量が多ければ、水彩画のような仕上がりに、
水の量が少なければ、油絵のような仕上がりになります。
扱い方は透明水彩に似ているため馴染みやすく、
後片付けも簡単にできます。
ただし、乾いてしまうと耐水性になるため、
筆に付いた絵具はそのまま放置せず、
筆洗バケツに浸けておくか、
素早くゆすいで絵具を拭きとっておきましょう。
アクリル絵具と水の基本的な比率
![](https://mikigaka.com/wp-content/uploads/2024/10/drop-of-water-578897_1280-1024x682.jpg)
アクリル絵具と水の基本的な比率は
絵具:水=2:1
身近なもので例えるなら生クリームのような固さで、
擬音で例えるならトロ~リと言ったところでしょうか。
しかし、これは必ず守らなければいけないものではく
作者が表現したい作風に合わせるため適宜変えてOKです。
筆の水分に注意
![](https://mikigaka.com/wp-content/uploads/2024/11/paintbrush-1775821_1280-1024x819.jpg)
せっかく自分好みの粘り気に調整した絵具でも
筆が水分を含み過ぎていると、絵具が薄くなってしまいます。
かといって、筆にいっさい水を含ませないで塗ると
かすれてキレイに塗れない事があります。
ですので、筆で絵具を塗る時は、
筆を一度水に浸け、余分な水分をふき取ってから、絵具をつけましょう。
水が多すぎるとひび割れる
絵具に対して、あまりにも水が多すぎると、
乾いたときにひび割れたり
支持体に絵具が定着しない事があります。
そんな時は、絵具に対して水の量を減らすか、
どうしても絵具を薄く溶いて透明感を出したい時は、
ペインティングメディウムやジェルメディウムを使いましょう。
![](https://mikigaka.com/wp-content/uploads/2024/11/ペインティングメディウム画像.jpg)
これらは水の代わりに絵具を溶かす事ができ、
定着力を弱めずに着彩する事ができます。
乾燥速度を遅らせるための水の使い方
アクリル絵具は乾くのが早く、
乾いてしまうと耐水性になってしまうので、
水彩絵具のように、
乾いた絵具を水で溶かして何度も使うという事が出来ません。
なので、パレットに出す時は少量づつにしましょう。
パレットに出した後も、乾燥を防ぐために、
時々スポイトや霧吹きなどで湿らせて
丁度良い粘度を保っておくと使いやすいです。
水パレットを使ってみよう
![](https://mikigaka.com/wp-content/uploads/2024/11/水パレット 材料.jpg)
アクリル絵具を乾燥させないために
ウエットパレット(またはウォーターパレット)というのもあります。
つまり水パレットの事です。(*^。^*)
市販のものもありますが、作り方を知っておくと、
いつでも好きな時に使えますので、ここに書いておきます。
蓋つきのケースまたはタッパーの中に、塗れたスポンジを置き
その上にクッキングシートを敷いて使います。
スポンジの水が絵の具を乾燥から防ぎ、
ケースの蓋を閉じれば7日くらい絵具の乾燥を防いでくれます。
新しくしたい時には、上のクッキングシートを変えれば良いだけです。
注意点としては、夏場はとくに湿ったスポンジにカビが生えやすいので、
スポンジをこまめに取り換えた方が良いです。
描く素材によって水の量を調整しよう
アクリル絵具は、紙・キャンバス・木・プラスチックと幅広く使えます。
どの支持体を選ぶかによって水の量が少々異なります。
紙の場合は、水を良く吸うので、多めの水で溶かした絵具で
淡く透明感のある水彩画のような表現が出来ます。
キャンバスの場合は、絵具を水多めで溶いてしまうと、
絵具がキャンバスに定着しにくくなるので、
あまり水で溶かずに油絵風に描くのが良いです。
木や木製パネルの場合は、水を吸うとアクが出てくる事があるので、
下地処理をしてから塗ると良いです。絵具の水加減はキャンバスと似た感じです。
プラスチックの場合は、水が多いと絵具が定着しないので、
水は最小限か、どうじても薄めて塗りたい時はペインティングメディウムを使いましょう。
まとめ
今回はアクリル絵具に混ぜる適切な水の分量について解説しました。
いかがでしたでしょうか。
私自身、この記事を書くことによって
絵具の色を淡くしたい時、白を混ぜるのではなく、
水の量で濃淡をコントロールすると
その色自体の特性が分かりやすくて良いと知り、
とても勉強になりました。。(;^_^A
確かに絵具に白を混ぜると不透明度が増し
水彩画のような透明感は出にくくなるので
色を淡くキレイに出したい時は、
水を多めに混ぜて塗るか、
水の代わりにペインティングメディウムを混ぜて
固着力を落とさず色を薄めて塗る・・・と覚えておくと良いと思います。
こんな感じで、ご自身にとっての丁度いい水の分量を見つけ出し
様々な世界観を描き出して頂ければと思います(^_^)
それではまた、次の記事でお会いしましょう。
材料は全て100均で揃えられるよ。出来ればスポンジは大きい方が良いと思うよ