こんにちは、絵描きの榊幹恵です。
皆さま、いかがお過ごしですか。
今回は、絵を描くうえで、知っていると得する
初心者にオススメの基本的な構図のいくつかを
記事にしたいと思います。
この記事を書こうと思ったのは、
筆者の苦い経験からです。↓
下書きをして色を塗って、やっと完成!
その絵を遠くからマジマジと見てみると・・・
なんだかいま一つパッとしない。
下書きも色彩も考え抜いて描いたのに…
この理由ってなんだろう。
もしかして構図が良くなかったのかな、
という事が多々ありまして
構図について検索したりや本を読んだりして調べてみたところ
あるわあるわ(;”∀”)
こんなに構図に種類があったなんて、
もっと早く知っておきたかったです。
構図を知る前の筆者の絵は、
平面的なワンパターンが多かったものですから。
ちなみに構図とは・・・
作家のイメージや物語性が、絵を見る人に効果的に伝わる「型」の事
あまり構図に頼り過ぎるとマンネリに陥ってしまいますが、知っておいて損はありません。
ここでは、基本的な構図のパターンをご紹介していきますので
洗練された絵を描くための参考にしてみて下さい。
Contents
~日の丸構図~
画面の真ん中に描きたいものをドーンと描く。
安定感があり、バランスも取りやすい。
手前味噌ですが、筆者の絵を使っての作例です。↓
しかし、単調になりやすいので
他の要素と組み合わせるなどして
工夫するといいです。
もしくは、日の丸構図の長所を最大限に生かして、
主役をど真ん中に捉え
インパクトのある絵にするのも一つの手です。
↓↓↓
~三分割法~
写真を撮る時やデザインにも使われる基本的な構図
初心者はここから始めると良いと思います。
デジカメでは三分割のグリッドを表示させる機能もありますので
構図力を高める練習にうってつけです。
やり方は、
画面の縦横を均等に3分割し(一辺の長さ÷3)
その線が交わる4つの交点に見せたいものを配置する、
縦横のガイド線に沿って要素を配置してもOK
効果としては、
画面に安定感がうまれる、
汎用性が高くどんな絵にも活用できる、です。
三分割法 メインとサブメインの配置
4つの交点上の一つににメインを大きく配置し、
対角線上の交点にサブメインを小さく配置する。
これだけでも洗練された印象を与える事ができます。
~フィボナッチ(黄金比)構図~
「人間が最も美しいと感じる比率」と言われている有名な構図です。
対比率は 1:1.618
黄金比のラインに沿って要素を配置し、終点に一番見せたいものを置きます。
人物・背景・小物など要素が多い時に使うとバランスが取りやすくなります。
黄金比で有名な絵の一つに
葛飾北斎の『神奈川沖浪裏』があります。
当時の北斎がフィボナッチ構図を知っていたとは考えにくいですが、
北斎は構図を考える時、コンパスと定規を使っていたそうなので、
調和のとれた美しい構図を追求していた結果
自然とフィボナッチ(黄金比)構図に行きついたと考えられます。
白銀比…(閑話休題)
黄金比があるなら・・・
そうです!
白銀比というのもあるんです。
対比率は 1:1.414
別名「大和比」とも呼ばれ、
古くは法隆寺や五重塔に使われ、
現代では東京スカイツリーにも使われているという
日本人に馴染み深い比率なんです。
この白銀比、建築物だけでなく、
キャラクターデザインにも使われており
サンリオキャラクター、ドラえもん、トトロなど、
コロっとして可愛く親しみやすい
日本人に好まれる印象になります。
さらにもっと身近な所では、
紙のサイズも白銀比が用いられています。
A判 A4 ・A3とか、B判 B5・ B4とサイズが変わっても
縦横比は変わらず1:1.414なので
コピ機ーなどでの拡大縮小が簡単にできる訳ですね。
~三角構図~
画面の中に三角形を作る構図です。
画面に配置した三角形に沿うようにキャラクターや要素を配置します。
人物画や風景画で幅広く活用でき、「安定感」や「まとまり」を表現できます。
ガイドの三角形は、辺の長さが違う三角形でも全然OKです。
正三角形から崩れれば崩れるほどダイナミックさがでますので、
様々な形の三角形を試してみると面白いんじゃないかと思います。
三角構図で一番分かりやすいのが山ではないでしょうか。
底辺が長いと、どっしりとした安定感を出すことが出来ます。
また三角構図では「奥行き」を表現する事もできます。
長く続く道などの先に視線誘導も出来るのでオススメです。
逆三角構図
画面の中に逆三角を作る構図です。
不安定感や躍動感を感じさせることが出来ます。
この形は、回転している独楽みたいに、(←躍動感)
いつかどちらかに傾いてしまうイメージを与えますね。(←不安定感)
また一方で、下から上に向かって広がっていくようにも見えるので、
空に向かって羽ばたくような開放感を演出することもできます。
例:万歳のポーズなど
複数の三角形を使って
三角形は画面の中に一つだけという決まりはなく
複数の三角形を合わせて、複雑でおもしろい構図を作るのもありです。
またまた手前味噌ですが、
筆者が以前描いたバラの絵で説明すると、
白い三角形は、
3つのバラのモチーフの「まとまり」と「安定感」を
黒い三角形は、
上方への広がりを感じさせ「開放感を演出」です。
(実は、構図を学んでから三角構図になっている事に気づきました。)
~まとめ~
今回は、超基本的な4つの構図をご紹介しました。
〇日の丸構図・・・主役を真ん中ドーン
〇三分割構図・・・画面を三分割し、その交点や線に要素を配置
〇フィボナッチ構図・・・人間が最も美しいと感じる比率を使った構図
〇三角構図・・・要素を三角形または逆三角形になるように配置。
フィボナッチ(黄金比)はちょっと難しいですが、
他3つは簡単に取り入れる事が出来ますので、
制作の際に参考にされてみるのはいかかでしょうか。
それでは今回はこの辺で
また次の記事でお会いしましょう(^^)