絵画・イラスト☆かっこよく決まる構図とその種類 ②

構図種類2 トップ画像

こんにちは、絵描きの榊幹恵です。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

今回も引き続き、『絵画・イラスト☆かっこよく決まる構図とその種類』
についてお話したいと思います。

前回は構図の中でも基本中の基本

〇日の丸構図
〇三分割構図
〇フィボナッチ(黄金比)構図
〇三角構図

について解説していきましたが、
構図にはまだまだ種類があります。

今回は、

〇対角線構図
〇放射構図
〇額縁構図

について解説していきたいと思います。

絵を描く時はモチロンの事
写真を撮るときなどにも使えるので
ぜひ最後まで読んでみて下さいね。

それではヽ(^o^)丿

~対角線構図~

画面の対角線上に要素を配置する構図

斜めの線は、対角の隅から隅へでなくても大丈夫です。

対角線構図
対角線構図

視線を誘導しやすく、奥行きや動きを感じさせやすいです。

作例としてあげるのは
葛飾北斎『遠江山中(とおみさんちゅう)』

メインに巨大な角材が対角線に据えられて、
対角線構図のお手本のような絵。

この絵は他にも
角材を支える支柱が三角形
富士山と右側の山々が三角形になっており、

絵に幾何学図形を盛り込むのが好きな北斎の
見る人を飽きさせない仕掛けが随所に見られるなど
知れば知るほどオモシロイ絵だという事が、
この記事を書いていて分かりました。

ちなみに、葛飾北斎は雑誌「LIFE」が選ぶ
「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」
に選ばれた唯一の日本人との事です。さすが!

~放射構図~

一つ点を設定し、そこから放射状に線が広がっていく構図
もしくは、複数の線が一つの点に向かって収束していく構図

放射線構図 真ん中
放射線構図  消失点 真ん中

奥行きと視線誘導の効果があります。

点の位置は、真ん中にあると安定感がでます。
しかし、それだけだと日の丸構図のような単純さが出てしまうので、
いろいろ描き込み工夫するとより良くなります。

(手前に人物を入れ、単調さを回避した作例)↓放射線構図 真ん中 作例付き

 

点の位置が、左右のどちらかに寄せると動きが出ます。

放射線構図 右寄り
放射線構図 消失点 右寄り

この構図は、道路や駅のホームなどでよく見かける事が出来ます。
また、消失点が画面の外にあると、迫力と奥行きを感じる絵になります。

放射線構図 消失点 外
放射線構図 消失点 外

今にも走り出しそうな動きを感じさせますよね(*^▽^*)

自然の中にある放射線構図

放射線構図 木漏れ日

さらに放射線構図は、自然の中にも見つける事が出来ます。
水中や森の中に降り注ぐ太陽光線などは、
神秘的な雰囲気を演出できるので、とてもオススメです。

~額縁構図~

画面の中に枠を作り、主役をその枠で囲み
まるで絵の中に絵画があるような構図の事。

視線が自然と額縁の中に誘導され
主役が目立つようになります。

上の絵は、アルフォンス・ミュシャの作品
丸い縁の中の女性に、自然と目が行きますね。

額縁構図・・・額以外でもOK

額縁構図 窓枠

額縁構図は主役を囲めるものなら
木の枝であったり窓枠であったりなんでも良いです。

上のイラストは窓枠を使っての作例です。

窓の外の情景に目が行きますね。

風景の中の額縁構図

額縁構図 テレコムセンター

(額縁構図に向いている建物例…お台場にある『テレコムセンター』↑)

特に、建物は額縁構図を作りやすいので、
普段からアンテナを張っておくと良いスポットに出会え、
背景や風景画を描く時に役立ちます。

これ以上ないくらい見事な額縁スポット
『ドバイフレーム』↓

額縁構図 ドバイフレーム

もう額縁構図を語るために存在するかのような建物。
ドバイフレーム越しに眺めるドバイの街並が、絵画のように見えるかもしれません。
(行った事がないので、想像でしかありませんが・・(^_^;)

こちらは2019年5月に
「額縁の形をした世界最大の建造物」として
ギネスに登録されたそうです。

話しが逸れてしまいました(*_*; 戻します。

額縁構図 明暗の差

額縁構図は、物を使って囲むだけでなく
明暗の差を使って囲むことも出来ます。

例えば、周囲を暗くし、
主役にスポットライトが当てられている絵↓

額縁構図 明暗

自然と明るい所へ視線が誘導されますね。

~まとめ~

今回は絵画・イラスト☆かっこよく決まる構図とその種類の第2弾として、

〇対角線構図・・・斜めの線に沿って要素を配置
視線を誘導しやすく、奥行きや動きを感じさせやすい

〇放射線構図・・・1つの点を設定し、そこから線が伸びる、または収束する構図
奥行きと視線誘導の効果があり、点の位置が真ん中にあると安定感が出て、
点の位置が左右どちらかに寄せると動きが出る、また点の位置が画面の外にあると
迫力と奥行きを感じさせる絵になる。

〇額縁構図・・・主役を囲み、絵の中に絵画があるかのように見せる構図
視線が額縁の中に誘導され、主役が目立つ効果がある。
また額縁でなくても、主役を囲めるものなら
木の枝、窓枠、建物、明暗等何でも大丈夫。

この3つの構図、いかがだったでしょうか。
そんなに難しくないので、作品の中に取り入れていきやすいんじゃないかなと思いました。

どの構図にも共通する事は、
作家が一番見せたい物に視線を誘導していく効果があるという事ですね。

構図には、まだまだたくさん種類がありますので、
また機会があったら記事にしていきたいと思っています。

それでは、今回はこのへんで。
また次回の記事でお会いしましょう。(^^)/