こんにちは、絵描きの榊幹恵です。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
今回は、前回に引き続き「色彩」
についてお話していきたいと思います。
色彩は、その画家さん特有の持ち味と思っていたのですが、
絵を勉強していくにつれ、
色彩はロジカルなものなので、
センス良く見える色の組合せは
すでに体系的に決まっており、
画家さん達は、その中から、
感性に合うものを選んで制作していくうちに、
自身の持ち味と馴染んで、
その画家さん特有の色とか配色センスが出来上がったんだな
というのが分かりました。
知識が増えていくと、
その物事の解釈の度合いが深まり
面白さが増しますね(`・ω・´)キリ
というわけで、色彩の基本知識の一つである
色彩調和論について掘下げていきたいと思います。
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Contents
色彩調和論とは
![](https://mikigaka.com/wp-content/uploads/2024/03/color-samples-2370496_640.jpg)
色彩調和論は、2色以上の色の組み合わせが
バランス良く調和して見えるか、またその配色が
人々の感情や認識に与える影響について探求する分野です。
では、その歴史を見てみたいと思います。
色彩調和論・・・その歴史
![](https://mikigaka.com/wp-content/uploads/2024/03/prism-6174502_640-e1709284726258.jpg)
1704年イングランドの物理学者ニュートンは著書「光学」で、
光はプリズム(分光器)を通すと7色に分かれる事を発表すると、
それ以降「色彩」は科学的に捉えられるようになった。
色彩のベースは自然科学という事ですね。 そりゃーロジカルな訳です。 感覚だけで配色するとチグハグになっていた理由が コレで分かりました。(;´∀`) |
1810年ドイツの詩人ゲーテは著書『色彩論』で、
色彩は心理的なものであるとして、科学的に捉える事を批判した。
19世紀以降、「色彩」は本格的な研究が行われるようになる。
☆シュブルールの色彩理論
1839年フランスの科学者シュブルールが著書
『色彩の同時対比の法則とこの法則に基づく配色について』で
色彩を「類似色の調和」と「対比の調和」という、
2つのグループに分類した。
余談ですが、この方、この時代に102歳まで生きたご長寿との事。 スゴイですね(;゚Д゚) |
☆ルードの色彩調和論
1879年アメリカの自然科学者ルードは著書『現代色彩学』で
自然界の配色を基にした配色理論を発表した。
自然界では同じ色でも日向は黄みを帯び、日陰では青紫みを帯びて知覚され、
これらの自然界に近い配色を「ナチュラル・ハーモニー」と呼ぶ
こちらは風景画や具象画を描く時に、とても役立つ色彩論です。 例えばリンゴを描く時に、赤に淡い黄色を混ぜて塗ると、 自然な光を表現できますし、赤に青紫を混ぜて塗ると、 自然な影を表現できます。 |
☆オストワルトの色彩調和論
1918年ドイツの科学者オストワルトは著書『色彩の調和』で
同じ白黒混合比の色や、規則的な位置関係の色は調和すると説いた。
☆イッテンの色彩調和論
1961年スイスの芸術家イッテンは著書『色彩の芸術』で、
色相環上で幾何学的な関係にある色は調和すると説いた。
☆ジャッドの色彩理論
1955年アメリカの物理学者ジャッドは、
先人たちの色彩調和論をまとめ上げ
著書『4つの色彩調和論』を発表し、
これらを「ジャッドの4原理」と呼ぶ。
↓↓↓
ジャッドの4原理解説
![](https://mikigaka.com/wp-content/uploads/2024/03/embroidery-74084_640.jpg)
秩序の原理
規則性のある配色は調和するという考え方の事
![ダイアード配色](https://mikigaka.com/wp-content/uploads/2024/03/ダイアード配色-150x150.jpg)
2色配色 ダイアード
色相環を2等分した反対の位置にある色を組み合わせた2色による配色
2色は補色の関係なので、お互いの色を引き立てる
ただし、高彩度な色の場合は、
コントラストが強すぎて不快感を与える事があるので注意。
![スプリットコンプメタリー配色](https://mikigaka.com/wp-content/uploads/2024/03/スプリットコンプメタリー配色-150x150.jpg)
分裂補色配色 スプリットコンプメンタリー
メインカラーと補色の両隣にある2色を組み合わせた配色
ダイアード配色より奇抜にならず、調和が取れた印象を与える事が出来る。
![トライアド配色](https://mikigaka.com/wp-content/uploads/2024/03/トライアド配色-150x150.jpg)
3色配色 トライアド
色相環を3等分した位置にある3色による配色
バランスが良く、明快で安定感がある。
![テトラード配色](https://mikigaka.com/wp-content/uploads/2024/03/テトラード配色-150x150.jpg)
4色配色 テトラード
色相環を4等分した位置にある4色でまとめた配色。
スクエアカラーとも呼ばれる。
2色の補色の組み合わせなので、カラフルで変化に満ちている。
![ペンクタード配色](https://mikigaka.com/wp-content/uploads/2024/03/ペンクタード配色-150x150.jpg)
5色配列 ペンタード
色相環を5等分した位置にある5色でまとめた配色。
![トライアド+白黒 配色](https://mikigaka.com/wp-content/uploads/2024/03/ペンクタード白黒 配色-150x150.jpg)
もしくはトライアド(3色配色)に白と黒の2色を組み合わせた5色の配色。
色数が多いので賑やかな印象を与える。
そこに白と黒が加わると、都会的な印象になる。
共通性の原理
似た要素を持つ色同士の配色は調和するという考え方の事
![](https://mikigaka.com/wp-content/uploads/2024/03/ドミナントカラー-300x203.jpg)
ドミナントカラー
ドミナントとは「優勢な」とか「支配的な」という意味で、
同じ系統の色相を使って多色の配色に統一感を出す配色の事。
トーンは自由に選んで良い。
なじみの原理
自然界にある見慣れた配色は調和するという考え方の事
![](https://mikigaka.com/wp-content/uploads/2024/03/apple-4517262_640-300x200.jpg)
ナチュラルハーモニー
自然界の見え方に沿った自然な調和を演出できる配色。
自然光の下で葉っぱを見ると、
日光の当たる部分は黄みがかった緑に見え
日陰の部分は青みがかった緑に見える事。
![](https://mikigaka.com/wp-content/uploads/2024/03/sunset-7439459_640-300x185.jpg)
グラデーション
虹や朝焼け・夕焼けなど自然の中に多く見られる、
一定の法則に従って、色を徐々に変化させながら
配列した多色配色の事。
明瞭性の原理
ハッキリした配色は調和するという考え方の事
![](https://mikigaka.com/wp-content/uploads/2024/03/990912_s-300x199.jpg)
トリコロール
フランス語で「3色の」という意味で、使う色数が決まっている配色の事。
色の境界線が曖昧ではなくハッキリしている事が大切。
![](https://mikigaka.com/wp-content/uploads/2024/03/アクセントカラー-300x203.jpg)
アクセントカラー
対照的な色で目を引くポイントを作る配色の事。
アクセントカラーは、使う面積を小さく絞り、
ベースカラーとの差がある方が目立ちやすく、
特に高彩度のトーンが効果的。
まとめ
今回は、色彩の基礎知識の一つ
『色彩調和論』について解説してきました。
いかがでしたでしょうか?
今はネットを探せば
無料の配色ツールなどがありますが、
その基礎になるものを知っておくと、
応用ができますので、
こういった知識を知っておいても損はないかと。。
または、ご自身の作品制作の時などに
お役立ち頂ければ幸いです。
それではまた。
次の記事でお会いしましょう(^o^)丿