こんにちは。
アクリル絵具でファンタジーな世界観を描いている榊幹恵です。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今回はアクリル絵具を使った基本的な技法を
ご紹介していきたいと思います。
まずはアクリル絵具の特性から・・・
Contents
~アクリル絵具は乾くのが超早い~
アクリル絵具を使った事がある方はご存じだと思いますが、
この絵具は乾くのがすごーく早いです。
なので、ブレンディング(色と色の境目をぼかす事)が
透明水彩や油彩よりはるかに難しいです。
そうかと言って全く出来ない訳ではなく
ちょっとしたコツさえつかめば出来るようになります。
乾くのを遅くするメディウムを絵具に混ぜる
パレットに出したアクリル絵具に
乾くのを遅くするメディウムを混ぜます。
リターダーとかスロードライメディウムとか
グラデーションメディウムという商品名が付いています。
空や海など、キャンバスの大部分を占める場所を塗る時は、
これを混ぜておいた方がブレンディングしやすくなります。
技法 ① ウエット・イン・ウエット
紙やキャンバスに刷毛などを使ってしっかり湿らせ、
濡れているところに、水で溶いた絵具を置く。
(名前の通りで覚えやすですね。^-^)
絵具が、じわ~っと滲んで広がっていき、
自然に他の色と混ざり合う技法。
この技法は、透明水彩でも良く使われ、
淡くぼんやりとした雰囲気をつくるのに効果的です。
技法 ② ドライブラシ
こちらもアクリル絵具以外でも使える、共通の技法。
筆に絵具を少しだけ付けて、かすれさせるように塗り、
下の色を透かして見せる事で、色と色の境界線を溶け込ませます。
技法 ③ グレーズ技法
こちらは、油彩でも使われる伝統的な技法です。
透明な絵具を使い、別の色の上に塗り重ねます。
下の色味を消すことなく、上の色を変化させる事が出来ます。
例えば、赤い絵具の層の上に、透明な黄色の絵具を塗ると、
オレンジ色のように見えると言った感じです。
グレーズ(上塗り)する絵具は、
もともと透明な絵具を水で溶いて使うか、
不透明な絵具でもグロスメディウムを混ぜると
透明度を上げる事ができるので、
薄く透明な色を何層も重ねることができます。
技法 ④ スカンブル技法
この技法は、先ほど解説したグレーズ技法と似ています。
違う点は、半透明の絵具を使うというところです。
下に描いた絵が、完全には消えないので
霧がった景色とか煙などを描く時に使える技法です。
技法 ⑤ インパスト技法
インパスト(厚塗り)技法は、油彩でも良く使われる
絵具を厚く盛り上げる塗り方です。
ゴツゴツと力強い筆のタッチを残した
ゴッホの絵などがそうです。
アクリル絵具でもこの技法は出来るのですが、
油絵具より水分が多いので、
乾くと体積が少なくなってしまいます。
なので、アクリル絵具でインパスト技法を使う時は
絵具にジェルメディウムを混ぜる事をお勧めします。
厚塗り技法・・・絞り出し
インパスト技法の他に厚塗り出来る技法としては、
絞り出しがあります。
例えとしては、
ケーキ台に生クリームをデコレーションしていく
あの感じに似ています。(^^)
絵具に厚塗り用のメディウムを混ぜて、円錐形の袋に入れ、
その先端から絵具を絞り出しながら、絵を描いていくという
なんだか楽しげな技法です。
技法 ⑥ スパッタリング技法
こちらは質感を作る技法になります。
絵具を水で溶いてインク状にして、
歯ブラシや硬い毛の筆に含ませ、
指で弾いて飛沫を飛ばす技法です。
ランダムな点描が出来るので、
砂・石・波しぶき・星空を描きたいときに向いています。
技法 ⑦ ミクストメディア技法
ミクストメディアとは、いくつかの異なる画材を
組み合わせて描く技法の事です。
例えば、
アクリル絵具と油絵具または透明水彩とか、
アクリル絵具とパステルを合わせて描くとかになります。
アクリル絵具は、ミクストメディアに向いている画材ですが、
画材同士の特性や相性があるので、
描く順番など使い方を間違えないようにする必要があります。
1番気を付けたいのは、アクリル絵具と油絵具の時です。
アクリル絵具は速乾性ですが、油絵具はゆっくり乾いていく絵具です。
なので、アクリル絵具を下に塗り、
油絵具を上に塗る時は問題ないですが、
油絵具の上にアクリル絵具を重ねてしまうと、
一見普通に塗れたように思えても、
油絵具の油性がアクリル絵具を弾いてしまい、
色がうまく固着できなかったり、
最終的には下の油絵具の層が乾ききれず
ズルっと剥がれ落ちてしまう事になってしまいます。
そういった気をつけなければいけない点はありますが、
画材の特性をあらかじめ知っておけば、起きない問題ですし、
色々な画材の特徴を生かせるミクストメディアは
表現の幅が広がる技法だと言えます。
技法 ⑧ コラージュ技法
コラージュという言葉はフランス語で
「糊付け」という意味で、
布切れとか写真の切り抜きや何かの破片などを
画用紙やキャンバスに貼り付けて、
1つの作品を作る手法です。
アクリル絵具となんの関係があるのと思ってしまいますが
ここで活躍するのはジェルメディウムです。
ジェルメディウムは、とても強い粘着力を持っているので
かなり重い物でも表面に接着させることが出来ます。
なので、一般的な糊を使うよりジェルメディウムを使った方が
丈夫な作品が出来上がります。
絵具に混ぜて透明度を高くしたり
筆のタッチを付けやすくするだけでなく
糊としても使えるジェルメディウム。
そのままでも使えるし、
紙きれであれば、少し水で薄めても大丈夫だったので、
コラージュ作品を作る時は、
ぜひジェルメディウムを使ってみて下さいね。
~まとめ~
今回はアクリル絵具の基礎的な技法を
ご紹介してきました。
この技法を使って作品を作ってみたいというものが
ありましたら幸いです。
それでは今回はこのへんで。
また次の記事で、お会いしましょう。(*^^*)